日本経済新聞「2024年4月6日」を読んで

本日4月6日発刊の日本経済新聞、NIKKEIプラス1から気になった記事を幾つか。

1面
記事「明治安田、予定利率上げ」企業年金、実質1.3%に
明治安田生命保険が2025年4月に企業から預かる年金保険の「予定利率」を1.25%から1.3%に引き上げるとの報道。日銀のマイナス金利解除の影響と思われるが、他の保険会社も追随することが言及されている。
但し、気を付けていただきたいのは「企業年金」についての予定利率引き上げだという事である。
この「企業年金」。保険会社が企業から資金を預かって運用、企業が将来従業員に支払う「企業年金」として支払われるお金である。
預かった企業に対して「1.3%の約束」をした上で資金を預かるのでとても重要な数字である。
「100万円」を預かった場合、「101万3000円」を返す約束をしたのと同じである。
但し、一般の人に対して支払われる「予定利率」と区別して認識する必要がある。
一部の生命保険、積み立てや終身保険で「予定利率〇〇%」などと書いているが、これは預かった保険料に〇〇%を上乗せして支払いますよ、と約束しているのではない。
預かった保険料から”手数料”を差し引いた金額から残ったお金に〇〇%の利息を付けます、という事。
この”手数料”、ほとんど公開されていないので注意してほしい。
この記事を読んで、「もしかして、生命保険の予定利率が上がれば、割のいい保険商品が発売される?投資よりも保険が良いかも!」なんて思う前に必ず確認してほしい。
加入を検討している保険が貯蓄型などだった場合、予定している保険内容と補償、保険料が合致しているのか。
掛け捨て保険と比べて有利なのかを必ず見比べてほしい。
例えば、貯蓄型保険での保険料(保険会社に支払うお金)、
返戻金(戻ってくるお金)と保険金額(何かあった時に支払われるお金)を確認する。
次にその保険で検討している”保険金額”と同じ金額が支払われる「掛け捨て型保険」を検索してその「掛け捨て型保険」に支払う保険料を見積もる。(大抵はパンフレットなどに書いてある。)
貯蓄型保険に支払う保険料から掛け捨て保険に支払う保険料を差し引いた金額を計算する。
その上で、貯蓄型保険と掛け捨て型保険、どちらが自分に合っているのかを検討してほしい。
計算例として55歳男性、5年後死亡時1000万円の補償をめどに算出してみる。
保険A:終身生命保険(補償・死亡時1000万円)保険料59210円/月
5年後死亡時、支払保険料355万2600円→受け取り保険料1000万円
保険B:掛け捨て型収入保障保険(補償・死亡後年金として10万円/月×10年間=1200万円)保険料3416円/月
5年後死亡時、支払保険料20万4960円→受け取り保険料10年間で1200万円
保険Aとの支払保険料の差額
どちらがお得だろうか。

もちろん、「死亡しなかった場合、掛け捨て保険は何も残らないじゃない」といった意見はあるだろう。
死亡しなかった場合
保険A 保険料払い込み満了70歳(払込期間15年)支払総額1065万7800円
保険B 保険料払い込み(仮に90歳までとする)143万4720円
つまり、保険Aは1065万7800円支払って1000万円の保証が確定する。
保険Bは90歳まで死亡せずに保険を解約してしまった場合、143万4720円を掛け捨て(捨ててしまう)事になる。
しかし、その差額5万5794円を投資に回していたらどうなるのか?
月に5万円を15年積立てる。総額900万円。
利回り2%で1047万円だ。
アメリカ国債の利回り(4%)に合わせれば1223万円になる。
もちろん、投資である以上必ずではない。
しかし、月の保険料の負担が保険Aは約6万円、保険Bは4000円未満だ。
必ず、詳細に計算して検討してほしい。

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