日本経済新聞「2024年3月9日」を読んで

本日発刊の日本経済新聞、NIKKEIプラスから気になった記事を幾つか。

本誌より
1面
外国株貸し付けGPIF再開へ
年金積立金管理運用独立行政法人(長い!)が保有している外国株式の”貸株”を再開したとの事。
議決権行使の移譲による弊害を理由に2019年に停止していたものを再開する。
年間利益が120億円(!)になるという。
保有資産が値下がりした際は一斉にバッシングに合うGPIF。
景気後退時は株式相場の下支えをし、好景気時には含み益で年金を支えてくれる。
リバランスやポートフォリオのバランスが良く、「最高」ではないかもしれないが、
世界的に見て「最良」に近いのでは。

7面
こころの健康学
寄稿:認知行動療法研修開発センター 大野裕氏
ストレス対処の自動会話システム「こころコンディショナー」が紹介されている。
チャット形式で対話しながら心のバランスを整えてくれるシステムだ。
実は一度使ってみた。
こころコンディショナーを検索。
最初に年齢や性別を回答し、会話開始。
幾つかあるモードから選択して進める。
何気に「もやもやしている事」で相談を始めてみる。
相手?からの回答はいたってシンプルなものだが、サンプルやこちらの言葉を復唱してくれているだけで自分の考えが筋道立てて整理されてくる。
終わった際には自分がもやもやしている本質に触れることが出来て心が軽くなった感じがした。
人に話すには軽すぎて(あるいは重すぎて)話せないことなどは一度トライする価値あり!

19面
マネーのまなび トップストーリー
「大学資金、まず預金・国債で」
一般的に一人の子供を幼稚園から大学まで通わせると1000万円の学費がかかるといわれている。
これをどういった形で用意するかとの考察。
文部科学省や日本政策金融公庫の2021年度調査では幼稚園~大学まで公立校に通うケースで一人当たり1055万円、中学から私立に進学の場合だと1700万~1830万円になる。
このうちの240万円程度を「児童手当」(子供が高校生になるまで支給される)を積み立てて貯蓄することで確保。
残りを家計管理し、月1~2万円程度捻出することで確保する。
これを国債や投資信託で運用するとの事だ。
個人向け国債なら元本確保したうえで、年2回の金利がもらえる。
1万円から購入できて、売却時は2回分の金利を払うことでいつでも売却できる。
要は丸1年保有していれば、元本を毀損することなく運用できるのだ。
利率はたいして高くないが、一般的な預貯金よりは高い。
当然だ。
預貯金を預かって利払いをしている銀行もこの「国債」を買って、顧客に利息を払っているのだから。
しかも、「変動10年型」個人国債なら半年ごとに適用利率を見直してくれるので、今話題の「日銀・ゼロ金利解除か?」の際には力強い味方になってくれるはず。
最近の統計では22か月連続で実質賃金がマイナスのニュースがあった。
個人国債だけで賄うことが出来るわけではないが、多少のプラスになってくれる。
また、NISAを使った運用も紹介。
価格変動のリスクもあるので10年以上の運用が望まれる。
その上で、半分は預金や国債など現金化しやすい形で保有し、10年以上先(大学進学の際の資金など)は投資信託などのリスク資産で運用をお勧めしている。
また、万が一の際の備えとして保険料の安い掛け捨て型の収入保障保険を薦めている。
最後に祖父母からの「教育資金の一括贈与非課税制度」を紹介している。
贈与を受けた孫が30歳までに使い切らなければ残額に課税されるなどの制約があるが、あてはまる人には良い制度だ。
最後に自治体が提供している給付金などを活用。
各自治体で違いがあるが、申請しなければもらえないケースもあるので定期的に自治体に確認しておきたい。

22面
マネーのまなび ネクストステージ
「中高年、積み立てを工夫」
寄稿:編集委員 田村正之氏
非課税の期間が無期限となってより使いやすくなったNISA制度。
中高年でも運用次第で活用しやすくなった。
ここで特に参考になったのが運用の時期と期間での運用成績の差だ。
新NISAの運用枠1800万円を全世界株(オルカン)に投資した場合、5年間で満額を埋める(月に30万円づつ積み立てる)と20年で埋める(月に75000円づつ積み立てる)場合での投資効率を紹介している。
興味深いのは1970年1月から一か月づつずらしながら2つの運用方法(5年or20年)をシュミレーションしているのだ。
結果的にはインデックス投資の王道、「長期運用」が効率が良くなり、どの機関、どのタイミングで投資を始めても「5年で1800万円」を投資するほうが運用成績が良かったのだ。
もちろん、それだけの資金があればできるだけ早く投資する(運用期間を最大限長くする)方がいいのだが、これは個人のリスク許容度によるのではないでしょうか。
文中にも紹介されているが短期積立の際は一時的に評価損が多額になるリスクもある。
耐え切れずに運用をやめてしまっては元も子もない。
私自身は積み立ては淡々と進めるが、年間投資枠に多少のゆとりを持たせたい。
この「多少のゆとり」部分が”もし暴落が来たら”の心の余裕になる

NIKKEIプラス
11面
なやみのとびら
回答者:美村里江氏
相談内容は「話相手の愚痴に上手に反応できません。軽く流すと「真剣に考えてくれている?」など言われ、・・・・」といった事。
これに対する回答は相談者の悩みに共感しつつ、相手との距離感が近すぎるのでは?と。
例として、「取り留めのない愚痴は相手をゴミ箱にしているのと一緒」という、過激な説を紹介。
確かに、相手を大切に思っていれば延々と愚痴を聞かせるなんてしませんよね。
一旦、愚痴のお相手と会う回数を減らしてみる事を薦めています。
回答者の美村氏はご主人に対して愚痴を聞いてもらいたいときは
「ただの愚痴です!現実的な落としどころも自覚しており、アドバイスはいりません。3分だけ聞いて欲しい!」と相談するそうです。
確かに、聞く方も「聞くだけ」で良いし、しゃべる方もしゃべるだけで踏ん切りがつきます。
その上で、相談者へ「これは愚痴?着地点が見えず、どう聞いていいか分からない」と困った気持ちを正直に表すのも良いと提案しています。
文中の最後に「それでも起こるような相手ならゴミ箱役は降りる」選択をしています。
確かに、言葉を投げつけてくるような「ゴミ箱役」は友人関係でも何でもないですからね。

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