日本経済新聞「2024年3月16日」を読んで

本日発刊の日本経済新聞、NIKKEIプラスから気になった記事を幾つか。

1面
「マイナス金利解除へ」日銀、17年ぶり利上げ
(連動記事23面「長期金利上昇一時0.795%」)
日銀が次回(今月18~19日)に開かれる金融政策決定会合にてマイナス金利政策を解除する見通しとなったとの事。
日銀が政策金利の引き上げをするのは2007年2月以来、実に17年ぶりになる。
これまで続いてきた「大規模金融緩和」からの脱却の第一歩だ。
現在紙面で公表されているのは
・マイナス0.1%だった短期の政策金利の誘導目標を0~0.1%に引き上げ。
・長短金利差(イールドカーブコントロール・YCC)で制限している長期金利の上限「1%」を撤廃。
・ただし、上場投信や不動産投信の新規買い入れは継続。

3面
「賃上げ 企業の優劣左右」
平均5.28%、持続力競う(日銀判断に追い風)
連合が15日に発表した2024年春闘での第一回解答の集計で賃上げ率の平均が5.28%と前年から1.48ポイント上昇したことを発表した。
5%を上回るのは1991年以来、いよいよ実質賃金マイナスからの脱却が見えてきた。
業界ごとにばらつきがあるが、中小企業の賃上げ率も4.42%にのぼり日本全体で物価上昇と賃金アップの両輪が回り始めるきっかけになりそうだ。
関連記事で鈴木財務大臣が
「消費者物価は緩やかに上昇している。政府としては現在、デフレの状況にないという認識だ。」
と発言。(インフレかデフレかというわけではない)と、注釈をつけたが、政府・日銀がそろってデフレからの脱却→景気の好循環の絵図を描き始めたという事か。
海外投資家が日本株に本格参入、最近の日経平均株価上昇の要因になっているが、日本に住んでいる私たち日本人はなかなか実感できていない「日本経済の本格的な変革」が始まっているのではないか。
今だ、デフレマインドから抜け出せずに「少しでも安いものを求める」から「良いものは高くても仕方ないよね」に変わり始めれば企業、とりわけ物作りに携わっている人たちの収入が多くなり、可処分所得が増えれば世の中のお金周りが良くなる。
益々お金を使う人が多くなり、物価が上がり、所得が増える。
この30年余り、「失われた日本経済」と言われた景気循環が戻ってくる!

35面
マネーのまなび
「高値圏で始める株式投資」
寄稿:川路洋助氏
日経平均株価が4万円を超え、投資に興味を持つ人が増えてきているそうだ。
今年に入って資産運用に対する相談が7割増となっている。
この記事で伝えている大切な点は
1、まずは家計管理をして投資に使えるお金がいくら位あるのかを見極める。
2、その中からいくら位をどれだけの期間投資に振り向けるかを考える。
3、その上でどういった金融商品に投資するかを決める。
以上の3点だ。
結果的には「当分(10年以上)、生活資金などに使う事のない余剰資金を広く分散投資されているインデックス型の投資信託に預けよう」となっている。
最後に記載されているのが「投資情報の見極め」だ。
くれぐれも詐欺に注意してもらいたいと警告している。

投資の世界の基本リターン(投資をして得られるリターン”利益”)は必ず、リスクと連動している。
お金を失う確率の大きなものほど、投資をして戻ってくるお金が多いというのが常識だ。
債権に投資すれば、お金を失う確率が少ないが得られる利益も限定されている。
価格の変動の大きな株式に投資すれば値上がりするとき大きく利益が得られるが、暴落の危険もある。
今現在でNISAで良く買われている投資信託「S&P500(アメリカ株)」や「オールカントリー(全世界株式」といった商品でも15年前後の平均リターンが年7%ほどと言われている。
ほぼ、元本保証されているといっても過言ではない「国家が発行している債権」である国債でもアメリカ国債で4%前後、日本国債では0.6~0.7%(両国とも10年国債を参考)となっている。
たまにSNSなどで謳われている「高リターンで低リスク!」や「画期的な投資」などに踊らされないようにしてほしい。
現在の世界規模で投資先を探しても年に4%以上のリターンを保証する投資は絶対ないと言い切れる。
世界一の経済規模を誇るアメリカの国債を上回るリターンがあるとすれば、それ相応のリスクが付いて回るはずだからだ。
ましてや、「年利で10%を超える」や「月利で4%!」など到底あり得ない事だと思っている。
もし、そんな投資手法があれば世界中の投資機関が放ってはおかないはずなのだ。
世界中には思いもよらないお金持ちが存在する。
そんな人たちに「金融投資」を持ち掛ける人間も星の数ほどいる。
数百億円のお金を運用している、もしくは数兆円に及ぶお金を運用している投資機関もある。
そんな人たちでも投資先はアメリカ株であったり、アメリカ国債であったり、広く分散している全世界株式であったりするのだ。
何故か?
そこが一番リターンが良いからだ。
そこが一番安全にお金が増えるからだ。
もし、SNSで「この株買えば、かならず儲かる!」なんて話があっても信用しないで欲しい!
そんなものがあれば、世界中の投資家が放っては置かないはずなのだ。
SNSでその辺にいる一般人になど投資を持ち掛けなくても、銀行や証券会社に持ち込めば一気に十億でも百億でも投資してくれるはずなのだ。
それが「まともな投資」なら。
でもそれを「あなただけに」なんて一般人に紹介している。
何故か?
知識のない一般人しか買ってくれないようなまがい物、もしくは詐欺まがいの投資商品だからだ。

コツコツ貯めた大切なお金をろくでもない詐欺師に取られないようにくれぐれも用心してほしい。

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